水曜日の夜から乗鞍高原に行ってきた。昨年の夏KO大学と一週間の合宿をしたところだ。理由は研修に参加するためである。水曜日の夜は私が講師をつとめ、木曜日は、私は受講生になった。研修の内容は「ホワイトアウトナビゲーション」。吹雪に会ったときでもちゃん帰れるための訓練である。私はGPSを山岳ガイドの方々に教え、今日の講師は”方位磁石”の使い方を教える。
昨日のGPS講習は、夏のJICA研修・県内のGPS普及・日々の授業の取り組みを話してきたので、代わりばえはないが、今日のコンパスをつかったナビゲーションは、学ぶことが多かった。独学で身につけた方位磁石の使い方だが、今日の講習はそれを補強するなかなか良い話も聞けた。ところが、今日の講習、能書きだけの講習ではない。実技がある。その実技をするため乗鞍高原スキー場のリフトを乗り継いで標高2000mまで上がり、その後、スキーまたはスノーシューズを履いて標高2600mまで地図と方位磁石だけを頼りにあがるというものである。下のスキー場はこうして晴れていた。余談だが、驚いたことにスキー人口が激減して、非常に快適そうであった。これだったら、スキーをしてもいいかなぁ、と思う発見があった。
しかし、研修の中身はホワイトアウトナビゲーションである。吹雪であたり一面が見えないときでも、ちゃんと行きたいところに行く訓練である。こんな晴れているところでは研修にならない。そこで、スキー場から目的地に向かい歩き始めた。氷点下12度くらいであったが、登りはからだが熱くなる。汗をかいては風邪を引く。だから、登山下着+フリースだけで2400mくらいまで行った。
ここまでは良かった。樹林帯の中、如何にに寒く風が吹いても、経験値内である。不安はない。金華山登山のおかげで別に斜面を登ってもなんともない。
ところが2400mを超えて、森林限界を越える頃から、猛吹雪の中に突入することになる。風は強い!!!!雪も強い!!!!前を向いていられない。私の前を山スキーで歩いていた人は、立ち止まって地図を見ていたら、風で吹き飛ばされて倒れた。
私もたまらなかった。顔面に当たる風が、経験値をオーバーフローして”痛い”を通り越して、凍傷になるのではないかと思うくらい。指先も冷たい。まるで凍っているようである。リュックに入れたペットボトルもシャーベット上のお茶に変化。顔面保護のためにタオルを口と鼻に当たるようにマスクをしたが、吐息で湿ったタオルが凍り、まるで氷のマスクをしている感覚であった。
2600m地点は氷点下ー18度。風速はわからないが、突風で人が倒れそうなことがあるくらい。もちろん、文字どうりホワイトアウト。回りがみえない。絶好(?)の研修日和。ヒマラヤではー20度のキャンプを経験しているが、その比ではなかった。風のため体感温度は∞。
イヤー楽しい2日間だった。来週はなだれ講習に出かけます。なだれで埋もれたひとをどうやって発見・救出するかという研修。
いやーすごいですね(汗)
ヒマラヤ行かなくても極限は体験できるんですね。
それにしてもGPSが色々な分野で活用されるようになってますね。オモシロイ。なだれ講習うらやましい・・。
冬山いいですね♪
北が恋しいです。
こちらも寒いですが雨です・・・(;;)
次の記事、楽しみにしています。