月別アーカイブ: 2008年3月

伊吹山

 家のベランダから伊吹山という山が見える。修験者の修行の山だったという山だ。このやま、この冬ちょっと登ってみようかと思っていた。いわゆる冬山だ。いつかいつかと思っている間(いくら雪崩講習を受けたからといって、雪崩が怖いのには違いがないので雪がしまる春にと思っていた)今週を迎えた。それで数日前に九州から帰って伊吹山を望むと、伊吹山の雪が谷を残して多くが融けていて、冬山ではなくなっていた。先週の雨でだいぶ融けたのだろう。
 
 この3月に入ってから加速度的に暖かくなった。
 
 ところで、宇宙には-273℃(高校のときの記憶なので違うかもしれない)から何万℃という温度の広がりがある。その中で地球はいっても-60℃から50℃。宇宙の温度の幅に比べたら薄皮の厚みの幅しかない。その幅の中での春夏秋冬。-273度の話を高校生のときに聞いてから、人間はなんと温度に敏感だろうと感じ入っている。
 
 天気予報をみながら微妙にかわる温度変化。そして確実に体もそれを受け入れる。うーん、なんとも不思議な気持ちになる。

 ともかく、伊吹山の雪はとけちゃった・・・。微妙なタイミングだった。

テレビを見て感じた

 実り多き九州の調査。

 時に、趣味でいったと勘違いされる。私にとってはそれは仕事。けれども人によっては趣味とうらやましがる。その違いは何だろう。今日、そんなことを考えていた。
 違いは「感性」。そう結論した。同じものを見ても、食べても、大いに学ぶ人がいるが、学ばない人もいる。
 例えば、私は、チャーハンが好きだ。だから、うまいチャーハンを常々食いたいと思っている。そのため新規開拓の中華料理屋では、まずチャーハンを頼むことにしている。それで「うまい」「そうでない」を感じている。ここまでは誰でも同じこと。しかし私はそれにプラスして必ずやることがある。カウンター席があるばあいは、必ずカウンターにいってオヤジのチャーハンの作り方、調味料のタイミングと量と数などをチェックする。そして、でてきたチャーハンの味と作り方等を対比して、究極のチャーハン作りを考察する。単にチャーハンを食べるという行為でも、食べるという行為で完了する人もいるが、そうでない人もいる。同じものを体験しても学ぶタイプの人と、学ばないタイプの人がいる。

 今回の九州だって、確かに行ってみれば視察旅行とみえないわけでもない。各地を回って・・・。しかし、楽しみに行っているわけではない。職場で座って調べものをしているよりも学は多い。今回の一件で、大いに九州の林業や屋久島のエコツアーに対してうん蓄をたれるようになった。確かに、昨日の会議での私の発言は九州での経験を基にして「わりと重要な発言をした」と思う。しかし、人によっては、旅行(?)を楽しむしか感じられない人もいる。私は楽しみを求めて移動したという気持ちは一切ない(学んだ知見を人に説明すことがもしかしたら楽しみ鹿野かもしれない)、一日24時間、365日が全身の毛穴まで感性の扉を開いていた。

 今日、たまたま家に帰り、夜家での仕事をはじめる前に、ちょっとテレビを見てみた。TBSが長い間やっている「サスケ」という困難な障害物を制限時間内にクリアしながら体力・技術を競う番組だ。比較的、禁欲的で体力仕事がすきなわたしは単純にあの番組をたのしめる。しかし、今日は以外なところで感心した。それは何か?それは人間のすばらしさだ。

 はじめてみる未知の障害物で、それにはじめてのチャレンジャーは敗退する。まったくお呼びでないほどの敗退。しかし、それをばねに、半年か一年か・・・チャレンジャーは自分の出来なかった未知の障害物を乗り越える。未知だったものの攻略法を考え、トレーニングし、克服する。人間の能力のすばらしさに感嘆だ。ここが機械と違うところだ。そんなことをテレビを見ながら考えた。

侮りがたし宮崎林業

服装林 今回の九州出張の最終日は宮城県延岡にある卒業生がつとめる林業会社での情報収集だ。もっとも大きな目的は昨日と同じであるが、実は、昨日卒業生の二人が片道2時間以上かけて熊本まで私を迎えにきてくれたので、先輩を紹介しつつ、私の質問に対して先輩・卒業生の話をきけたため、目的は土曜日で達成してしまった。今日は、いわばプラスアルファの見聞を広める日となった。卒業生がつとめる会社のウリの一つは「複層林」である。その林を見せてもらうことになった。普通、複層林といってもまともな林をみたことがない。複層林はGISでの管理上ちょっとややこしい。だから、アンチ複層林というのが私のスタンス。しかし、この複層林をみたらこれまでのアンチ複層林という考えはどうやら間違いのようであり、仕立て方によってはとても良い森になる気がした。

haizumi また最近林業活動が日本で盛んな県の1・2を争うのが宮崎県。南国の暖かさによって一年の成長が大きいため、植えてから収穫までの期間がとても短いらしい。つまり、年輪の幅が広いという特徴がある。この特徴、果たしてメリットなのかデメリットなのか、そんなことを考えるためのネタとして木材市場に連れて行ってもらい年輪の細かさを見せてもらった。確かに、ニュージーランドほどの成長はない(年輪の幅が広い)が、まぁ、思ったより年輪は細かかった。ワリとまともな木が大量に出てきていることを知った。

港 ともかく、宮崎は林業で熱い。それに拍車をかけるのは広島のある製材会社。この会社がいま、宮崎県日向市に進出してこようとしている。そこで、工場建設のための土地を現在探しているらしい。先方が希望しているのは工場に船を横付けできる位置。ともかくどんな土地なのか体で記憶させるために、熱い港にやってきた。

対区間 この宮崎県、かなりやる気だ。あちこちで木製の製品をつかった大型施設がある。写真は「金ちゃん球団」の合宿地の日向市の体育館。ふんだんに木材を使っており、宮崎県の林業を盛り上げようという意思がありあり。また、JRの駅も「木三昧」。いろいろ使っている用途などを考えると相対したことはないかもしれないが、木材を使おうという県の気運が伝わってきた。下の図は駅の一部。

役 

熊本菊地山鹿

チップ 土曜日は朝 福岡県八女を出て、峠を越えて熊本菊地山鹿にある、私の会社員時代の先輩が経営する林業会社を訪問した。目的は自分の日ごろの研究成果を実業界でつかえる情報にするためにはとうしたらいいのかヒントを得るためだ。先輩を訪ねたのは、先生なんという立場を考えず、形式ばらずに尋ねるためだ
 ところで本題に入る前に、この熊本菊地で驚いた2つにふれてみる。一つは、古墳の多さだ。あちこちに古墳がある。もう一つ驚いたのは街の各所に西南の役を記した案内板があったこと。いまから100年以上も前の国内の戦いが、いまでもそれほど大きくクローズアップされているとは・・・。さすが、薩摩地方。

 さて、先輩の会社は素材生産とチップ・製材を生業としている会社だ。以前の会社では、木材の輸入を担当し英語も堪能、人脈も豊富。新しい発想で5年前から実家に戻り、家業を継いでいる。
 訪問の目的は山の価値を試算するときどのような視点で評価しているかということなのだが、月曜日にいった熊本人吉の会社とはまた別の方法で評価している上、国有林・県有林の入札にも参加しているために、私の知らない見たこともない情報を教えてもらったりした。
 
たけ 先輩の会社では新しい取り組みをしている。竹を何とか商売に出来ないかということ。当初は仲間に「竹~」と笑われていたが、いまでは「ちゃんとビジネスとして成立してきつつある」ということだった。

いえ また、現在新築中の自宅も見せていただいた。チップにする材はまっすぐでない曲がりくねった柱で林業的には価値がない。そこを先輩は逆手にとって形状が不規則なのを生かした家作りをしていた。とても太い柱、梁。完成したらどのような家になるのだろう。九州に来る楽しみがまた一つ増えた。

福岡県八女

49431997.jpg 今日は卒業生の地元の森林組合に呼ばれ、朝、鹿児島を発ち福岡県の八女に行ってきた。森林組合に呼ばれたのは、組合で「GPSやGIS」の導入を考えているものの、いったいそれらがどんなものか良く分らないので、勉強したいということだった。そこで、「GISとはどんなものか(概要・用途と機能・歴史)」「GPSをつかった岐阜県の事例」「GPSの原理と正しい使い方」について話してきた。

 行きと帰りは送迎してもらえた上に、道中、林業の話をしていただきながら現地の生産拠点・販売拠点などを見せてもらえた。この手のことは専門的にはあまりよく知らないため、せっかくの現地視察もピンボケな質問をしてしまったりしたのではと心配する。

 ただ、自分の興味に合致した情報があった。「総合商社」が日本の木材を物色し始めたということだ。日本の合板工場などへ流す木材の買い付けに、これまで日本の木材に関心を示してなかった総合商社が未曾有関心をいだいているとのこと。岐阜ではそんな話は聞いたことはなかった(丸太ではなく、山そのものという話は聞いたことがあったが)。先方がいうには、日本の合板工場に木材をいれるラインを確保したら、中国への輸出を考えているらしいと・・・。
 多くの日本林業にかかわる業者や組織は、あの手この手で阻止したいと思うだろう。多くの保守的な林業人は「商社が入ってくると日本の国土はめちゃくちゃに荒れる」などという理由をいいながら。外部からの新規参入を拒否して、これまでどおりの生活を右肩下がりでも維持したいというのが多くの行政マン・実業界の気持ちでは。でも私は大賛成だ。小さな節穴を通して日本林業の方向付けを考えてきたこれまでの林業人たちも、世界のスタンダードの考えで林業を仕切り直しするのはいまが機会ではないだろうか。そんな気がした。

屋久島での学び

トロッコ道 今日は我ながら頑張った。屋久島に来た目的はこの島に教育的にどんな資源があるのか?を見つけるため。狙いは林業とエコツアー。今日はあさ五時おきで縄文スギと白谷雲水峡(もののけ姫の森)を訪れた。普通なら縄文スギは往復八時間。もののけは三時間。そこを縄文スギは五時間、もののけは一時間半。自分を誉めたいくらい頑張った。楽しむなんて念頭にない。教育的に有用かを感じるため屋久島の大自然を風のように駆け抜けた。
屋久島はニュージーランドに似てるといったが、どうも違う。自然は似てるが、もてなしの心が完全に違う。屋久島にはサービス心の欠片もない。ニュージーランドは平たい土地を行かして体が不自由な老人にも優しいが、屋久島は老人に優しくない。しかも、縄文スギなんかはそれをみるためだけに一日無意味に八時間歩かなければならない。
屋久島ロード道中の自然も見るに値するが、そんなのは二時間で回れる屋久スギランドで事足りる。一方、それでも小杉谷など廃村した村の跡地なんかはそれなりに価値をみいだせるが、住居跡にスギを植え、小杉の 文化になんの価値も見てない。町、林野、環境省、まったくチグハグで世界遺産とはとても思えない。逆に考えると優良教材このうえない。

縄文杉

廃村になり建物の石垣が残り、基礎が残り、そして浴槽が残ったある住居あとがあった。林業全盛のあのころ、この建物で子を産み、子を育ててきたかつての住居。耳を澄ますと一家団欒の一こまが聞こえてきそうだ。この縄文スギのトレッキングを始める前に通る「屋久島自然観」という博物館では、この集落のかつてのビデオ(生活・林業)が流れていた。私は、トロッコ道も住居も、小中学校も「あー、これがあの舞台だったか・・・」胸に来るものがあったが、運動場跡にはシャクナゲの植林が行われ、住居にはスギが植えられ「試験地」と胸をはった看板が掲げられ、少し道から外れた「神社」は参拝する人もいない(こんなに人が通っているのに・・・。しかも、屋久島地域の修験者のマークが神社に刻まれ文化的に面白い神社であるのに・・・)。

住居跡
ニュージーランドは人々が林業に誇りを持っていることを実感した。このように器械を放置せず、彼らなら住居あとや小中学校あとに掘っ立て小屋の博物館をつくり、器械のメンテナンスをしながら昔を懐かしむ老人たちがかつての黄金期を語ってくれるだろう。しかし、日本の林業はイジケテイル。記憶から消し去りたい、そんな感じがする・・・。林野庁も屋久スギを伐採してきた歴史を隠し、現在は自然の回復に努めることを強調して屋久スギの伐採の記憶を消したいのよな感じだ・・・。そんな必要もなく、1つの文化で胸を張ればいいのに・・・。残念。

朽ちた器械

今日は頑張ったごほうびに鹿児島市内で温泉を見つけサツマアゲをかって焼酎で一人乾杯!

黒味岳エコツアー

12240a65.jpg昨年のニュージーランドいらいエコツアーに関心をいだいてる。エコツアーで学生が卒業後飯をくえるか?食えるなら活路はどこか?そんな関心だ。そのためにニュージーランドいらい、サイパン含め本来趣味ではまったくないエコツアーにミゼニで授業料はらっている。今回授業料は知り合いの二人のその道の大御所がくしくも別々に同じ会社を推薦してくれたので迷わずそこに申し込んだ。ヒマラヤのトレーニングをかね、登山のツアーに申し込む。
生憎の天気でガスってなにも見えなかったが、マンツーマンのツアーだったので色々尋ねることができた。うちの職場にいると、そのてのターゲットはとかく子ども相手とはっそうしてきたが、この会社には確に大人を満足させるエコツアーがある。ガイドさんの言葉が印象にのこる「とかくこんな仕事してると自然相手と思われがちですが、本当は人相手なんですよ。会話しなかわらお客の好み知りたいことを探りだし最大のサービスをする」

屋久島初日

今朝高速船で屋久島いりした。朝が早かったので船の中で居眠り。気付けばでかい島が目の前にきてた。大学一年の春、沖縄にいくとき頂を雲に隠す屋久島をみたが、その時小さい島だと思ったがとんでもない。
ついたその足で営林署に行って屋久島の林業の概要を取材。島の木材需要は1000 立方/年 屋久島の人工林、特に民有林は大変な状況とのこと。でも活路はある気がする。いい教材になる!直感する。
そこで県の事務所に挨拶に二度出向いたが、不在。森林組合の訪問も狙ったが未達。ところが一泊2000円の民宿の親父が森林組合で働いていることがわかった。彼を通していろいろ聞けるかチャレンジしたい。
空き時間で屋久島自然観と雨の中、屋久島スギランドに行ってきた。自然観はニュージーランドと比べると貧弱すぎ。林はニュージーランドの森と似ている。屋久島とニュージーランドの両方体験はとても勉強になることがわかった。

九州初日・二日目

ハオライ 昨日の朝、家をでて九州に向かった。向かった先は熊本県人吉のある林業会社。日本の林業界でも頑張っている会社の1つ。日ごろ、私は空から森林の資源量を計測することを飯のネタにしている。けれど、林業を営む会社にとって私が計測する資源量が意味あるものなのかを再考するため、無理をいってその会社の森林調査に人足として使ってもらい、自分の日々の仕事に活かしたいと思って九州まで飛んできた。
 その結果、様々な学びの多い森林調査になった。学問と実業の違い。岐阜県と熊本の違い。学校と会社の違い・・・。半日あまりの森林調査だったが、これからの私の研究と教育の両方に影響ある濃厚な時間になった。

 今日、訪問した会社は、危険の高い林業の現場で日本でも屈指の安全に配慮した林業を目指している会社だ。社長は常々「安全は全てに優先する」をことあるごとにいっている。そのようになった経緯が社長の書いた本にあった。会社の設立当時、従業員の一人が現場の事故で亡くなったことがそのキッカケだという。日本の林業現場での安全に多大な貢献をしてきたその会社の安全配慮のキッカケになったこの従業員の方は、いわば日本林業の安全向上のための礎になった方でもある。この会社では年に一度、従業員全員で、事故から40年たった今でも毎年お墓参りに行っているとのこと。そこで常々、私もその方のお墓参りをしたいと思っていた。ちょうど、今日は社長が彼岸でその方のお墓参りをされるとのこと。念願かなったお墓参りができた。親族は離村してお墓を守することがなくなっている。そのお墓に、社長は年に4回、盆暮れ、彼岸とおまいりに来るという。
 元従業員の方の隣に3つの墓標があったが、20cmくらいの木製の柱、10cmくらいの木製のお墓、そのあたりに落ちている小さな石を墓標にしていたその家族のお墓。感慨深いものがあった。

 明日は、屋久島に渡り営林署を訪問し、情報収集を行う予定。

 写真上は、熊本人吉の名物ラーメン、「ハオライラーメン」。写真下は、鹿児島ラーメン。今回は九州ラーメンにもこだわりたい。
鹿児島

名古屋女子国際マラソン その後

f9b87088.jpg 先週、名古屋女子国際マラソンを見に行きガンバル女性の姿を目にしてきた。そんな私、先週は水泳にかまけ、ジョギングから足が遠のいていた。また昨日大阪に一緒に出張したNGY大学のA先生はかつて石垣島でも仕事をされていて「石垣島トライアスロン」「宮古島トライアスロン」について話してくださった。

 となると、今日いくら原稿の締め切りがあるにしても、走らないわけにはいかない(?)。しばらく走らないと筋肉が退化する(あの、ブルース・リー先生は1日練習を休めば、二日かかって積み上げた成果が消失するといっている)。しかも明日から一週間出張で走れない。よし、走るか!
 
 ちょうど今日、近所の車屋に車を出す。その帰りは遠回りして家まで走っていこう。距離は未知数だが、がんばるぞ。時計を忘れたので、走っている最中はいったいどれくらい走ったか不明だったが、家にもどってインターネット地図で距離を測ると約14キロ。そうか、これにあと7キロプラスすればハーフの距離だ。まずはハーフマラソン射程圏内の体になった。これをフルマラソンに耐える体にもっていくために、はやり「石垣島マラソン」「ホノルルマラソン」などの不純な動機をみつけなければ・・・。
 
あ~、いつものことながら明日の朝出張にでかけるというのに、まだ用意が何一つできていない。やっと締め切り原稿は終わったので、いまから準備にかかるとしよう(午前0時20分)