このところ、微妙な体調だった。なにが問題だったのか、久しぶりに少々風邪を引いた。昨日、調子も上がってきたので、仕事始め以来バイクで職場に。そとは寒い。帰りの気温はゼロ度。まぁしかし、厚い皮のジャンバーと皮のズボンとブーツで、その寒さも「チクチクと痛気持ちいい」程度。しかも9月に新調したフルフェイスのヘルメット。例年なら顔に風除け、唇にリップをたんまりと塗らないと齢を重ねた私の唇はすぐにカサカサとなり治るのに4・5日かかっていた。ところがフルフェイスのヘルメットはその点すばらしい。ヘルメット全体が風除けなため、特別な風除けもリップも不要だ。すばらしい!・・・しかし、いいことばかりではない。これが最近私を悩ませている。
問題は信号でとまったときに発生する。信号にとまったときにヘルメットの内側が吐息で曇り、信号待ちが長いときなどは前が曇って見えない。危険だ。まだ外気温が6・7度の頃は、そんなときはヘルメットのシールドを上げて(透明のめがねの部分)信号待ちをし、信号が変ったらすばやくシールドを下ろし、曇るのを回避していた。しかし最近はそうはいかない。外気温があまりに寒く、私の持っている手袋では25キロの通勤路を走り終えるときには、再起不能なくらい指先が冷たくなり、我慢も限界になる。そこで寒さ対策に、「カッコ悪い」などといって強がるよりも実利をとり、最近は農協のカブでの集金オバハンや自転車の中年過ぎたオバハンがしているようなハンドカバーを愛車に取り付けている。問題は、その左手のカバーだ。
そのカバーはすでに数年前、原付通勤のころから使っている。今年、そいつを押入れから探しだしたら、左手カバーの取り付け紐がない。まぁ風除けだから・・・と、取り付け紐をつけないで不安定なまま取り付けている。カバーの本質は風除けだ。風邪をよけることと、紐で取り付けることは別次元と判断しているからだ。
信号待ちでシールドを開け、走り出したらシールドを下げれば問題ない。しかし、左手(右手はアクセルなので運転中、とくに加速中にハンドルから手をはなしシールドに手をもっていくわけにはいかない)をはなしたとき、取り付け紐のない左手カバーが手に引っかかって落下する可能性がある。したがって、左手はカバーから出せない。しかも前述のように右手もハンドルから離せない。・・・それで、信号待ちでシールドが曇るのだ。
いくつか対策を試みた。プールめがねの曇り止め。結果、大して効果がなかった。しかし、いろいろ考えてみると、信号でとまったときに息をとめれば吐息もでないので、曇らない。そこで、信号では息をとめることした。
一人で長距離運転をしているとき、退屈しのぎに、トンネルに入ったら入り口から息を止めて出口まで息を止める無意味なことを日ごろからしている私。(トンネルの中が空気が悪いので、エアコンが効かなかった私の昔の車人生で覚えた遊び)。信号待ちでの息止めくらいなんのことはない。ところがこれにも問題があって少々困ってはいる。
長い信号待ちをしたとき、信号が青になったら、深い深呼吸をしてしまう。ハァハァと・・・。そのときシールドの内側が曇る。これを改善するにはハンドルをもったまま後ろにのけぞり、顔を空に向けてヘルメットの下の部分から空気を入れる。そうすれば、一気に曇りは晴れるのだが、空気を入れる角度を探るため、私はバイクの上で、空を見ながらのけぞり体を揺らす。これが、夜の一人旅ならいいのだが、朝のラッシュからこれをせねばならない。私の後ろに位置したドライバーは突然のバイク上で私ののたうちに、さぞかし驚いているだろう・・・。
いやーまいった。なんかいい手はないものなのか。
・・・と、書きながら、遅まきながらいま思った。なんだ、左手のオバハンカバーに紐をくくりつければ、いいじゃないか!!!