金曜日、一年に一度の人間ドック。今年の6月から運動を控え、しかも酔拳の毎日?だったため、体重は昨年よりも4キロアップ。体脂肪は5%アップという醜態だった。まぁ、いい。いまは運動をセーブしているときだから仕方ない。
さて、人間ドックが終わった後、昼飯をどうしようかと考えた。まよった挙句、近所の「プランツ」という喫茶店にいくことにした。ここ5年のうちまだ片手の腕ほどしかいったことがないところだが、750円なのに「うなる」味だ。とくに3年前、さんまの香味焼きは絶品だった。そろそろさんまかなぁ、そんな思いもあって行ってきた。2年ぶり。もうマスターは覚えていないだろうなぁ、そんな思いで扉を上げた。
「えー、まだ学校は夏休みなの?」とヒゲのマスターはいう。どう見ても顔は怖いヒゲずら。「今日は人間ドックで・・・」「健康そうじゃない」・・・。おー、マスター覚えていてくれた。
私は、よくいくお店でもそこの店の人と話すことはしない。しかし、このプランツでは常連ではないが、店の主人とは話をするようになっている。
プランツを教えてくれたのは、古くからの知り合い。知り合いは、プランツの常連。彼から店を聞いたので、5年前のある日に入った。
恐面のマスターに驚き、私は店に迷惑をかけないように、カウンターに座ろうとした。するとマスターは「そこのカウンターは常連の関だ」といいたげな視線で、首を横に降った。私はその日静かに食事をして家に帰った。
そして次の日くらいにたまたま、プランツを教えてくれた人にあった。そして恐怖の体験を彼に語った。すると彼がプランツにいったとき、「こないだ坊主あたまのおっさんがきたでしょ」と彼に私のことを話した。彼は私をどこかの「お坊さん」だと思ったということだった。
そんなことで、次に言ったときには、旧来の知り合いのように私に声を買えてくれるようになった。
しかし、今回は2年ぶりだ。まぁ忘れているだろうなぁ。そう思っていたが、はやり坊主あたまは印象にのこるのか、覚えていてくれた。はやり坊主あたまは人に覚えてもらいやすい。
ところが、ところが、その日の人間ドックで驚くことを体験した。
昨年、9月の下旬に人間ドックに行った。そこで、「印象深い顔」があった。しかし、そんなことも一年も立てば、そんな人にあったことも忘れてしまう。・・・が、今回、また彼と同じ日の同じ時間帯に人間ドックをうけることになった。
背丈は180くらい。年のころは50才代。鋳物工場の現場で働いているような感じの肌の色。ドリフの加藤ちゃんがしているような黒ブチの眼鏡。牛乳瓶のそこのようなレンズ。そして作業着。
そんな彼を見た瞬間に「おっ、このおっさん去年も一緒だった!」そう思った。
・・・そして思った。この坊主の私を人間ドックで一目見て覚えてくれた人はいるだろうか・・・。すくなくともプランツのマスターには印象深かったようだが・・・。
(今回のプランツのランチもおいしかった・・・。うなった。またランチだけではない。バイクでお店に行ったのだが、バイクで入ってきた私をみて彼は、ほー、バイク?俺は向かし族だったからねぇ・・・。冗談ではないことがその後の話でわかったが、ともかく、やはりマスターの恐面にはなにかがあった)