以前、日本の林業界のなんだかしっくりこないのは、国産材時代の到来といいながら、その到来は業界の努力ではなく、新興国の努力によってもたらされたものだと、一年くらい前の授業でいいました。なのに、自分の手柄のように「いよいよ国産材時代到来」とはけしからんと。
二つの出来事がこの二日でありました。
一つは広島。
ラジャータパインというニュージーランドの松を専門に挽く工場が、最近中国のせいで松を入手しにくくなり、一月に一回、スギを挽くようになったとのこと。大分のスギです。もったいないのは直径30cm以上あるハリケタに十分使えそうな材を梱包材に挽いているということでした。昔は日本が100万立方を超えるほど輸入していたものが、現在は70万立方。むかし、中国はほとんどゼロだったものがいまでは600万立方、ニュージーランドの松を購入しているとのこと。つまり、価格決定力は中国が持っているということです。
二つ目は浜松。
むかしの職場で大変お世話になった、製材工場に今日電話しました。20年ぶり?くらいの電話です。昔からロシアの欧州赤松を中国経由で挽いている製材工場ですが、このところ原木が入りにくくなったので天竜のスギを挽いてみたとのことです。
それぞれ、普通は材が違えばノコも違うようですが、いままでのままで対応したようです。
だから、言ってましたよね。国産材時代の到来を業界の力で引き寄せるには、日本が中国にもっと木を使え!とCMを打つことだと。
この二つからいえることは、いま困っている人があちこちでいるはず。そしてこれからも・・・。だから、いち早くそんな困っている人をピックアップして自分のシンパにすること!
熊本の講演では、一円でも生産コストを下げるだけではなく、生産コストを下げるのは、現場の作業員であり、施業プランナーは一円でも高く売るための営業のほうが効果がある。そういいました。ますます、それを実感しました。いまならチャンスはまだありますが、ぼーっとしていると、もう余地もなくなります。急いだ、急いだ!