東京の木材製品市場

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昨日、ここ2年の間で3回目の東京の市場に行ってきた。一回は、一昨年の卒論のための取材で学生と二人で。もう一回は、その学生の卒論報告で一人で。そして今回で3回目。
理由は、8月1日に和歌山で講演を頼まれたからだ。和歌山で講演を頼まれ、どうして東京の木材製品市場?理由は、和歌山の製品は東京市場で多く流通しているという認識が私にあり、講演の内容を考えるためのネタ探しだ。

1年ぶりの市場。前と比べて大判の板が多い。市場の顔見知りの方に聞けば、いまは建築材がでないから家具用に板くらいしか動かないということだった。
写真のスギ板は、2千円から5千円。悲しくなる値段だ。

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「アトピーキラー」というシールが貼ってある木材をみた。特殊な加工をしているのかとおもったが、なんのことはない。ただの木材。しかし、こうして差別化やブランド化をする取組はすばらしい。理由はわからぬが「響」と印刷された柱もあった。これまた、購買意欲をそそられるネーミングだ。

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とうとうここまできたか・・・。日本で板にした木材を中国に持っていき、サネ加工をして日本に戻す。そんな商売が始まっていた。無垢の紀州ヒノキだが半坪6500円でも不落だった。

こういった情報収集も収穫あったが、なによりも大きな収穫は「人」だ。

市場で不思議な買い方をしていた方に、隙をみて「林業を勉強している者ですが、お話を伺っていいですか?」と何人かの人とお話をした。今回は、話す方々反応がいい。
そして、すばらしいのは、私が聞く一方ではなく「それで、先生はどんな研究をしているの」「何で市場に来るの」と皆さんが尋ねてくれたことだ。「国際GISセンター」という名詞で、「材木市場?」、さぞかし不思議だろう。

そんな一人と激しくお話できた。5代つづく材木屋。薄利多売で年商15億だった商売を体力のあるうちに年商3億に下げ利益率を上昇させる体質に変革させた社長。東大にあるバーのオーナー。あまりに盛り上がったので、社長が駅まで送ってくれた。彼はよく勉強をしていて、材木屋なのに「新生産システム」「森林林業再生プラン」「集約化」についてよく勉強されていた。彼は、三重の美杉村に50ヘクタール、群馬に50ヘクタールの山林を持つ森林所有者でもある。

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