先日山に行ったおり、ブータンから来ている彼と山で弁当を食べた。弁当といっても、近くのコンビニでかった弁当だ。
私はまず、大地にあぐらをかいて座った。
そして、彼に言った。
まぁこんな感じで座りますが、大丈夫ですか?
とりあえず聞いた。
もちろん、それは抵抗ない。
彼は座った。
私は弁当の包を開けて食べ始めた。
彼は、弁当の包みを開けた。
米つぶを不慣れな箸さばきで数粒つまみながら、箸先についた米粒を
箸から振り落とそうとしていた。
私は虫でも入ったのか?そう思った。
・・・が、彼は言った。ブータンでは弁当を食う前に大地の神(?)に弁当の一部をささげ、お茶を飲むときは、自分が飲む前に大地にお茶をささげる。
彼は弁当に入った虫をつまみ出していたのではなく、神(?)に米を捧げていたのだった。
たしかに、日本の山でのお茶を飲むときに、自分が飲む前にお茶を大地に少し撒く人もいる。それと同じなのだなぁ~。
私は彼に、日本のかつてのアニミズム信仰について説明しながら飯を食べた。
(ちなみにブータンでは、食事の最中はTVも見ないし、会話もしない。ひたすら静かに食べるらしい。しかも、偉い人を目の前にした食事では、下を向いて相手の視界に食物が入らないように(?)ひざ上におきかしこまって食べるそうだ。)
そして、彼は言った。日本の米粒はブータンよりも粘っこいので箸から米粒が離れにくい・・・。