比較的浮世離れなところにいる私には、世の中のことは良くわからない。そんなわからないことの1つが「参議院議員の丸山氏」の発言に対する世間(世界?)の反応だ。
要するところ「『奴隷とされてきた黒人』にルーツを持つオバマ氏が大統領になった」ということに問題(大統領・アメリカへの侮辱、人種差別)があるらしいが、この話の何が、大統領の侮辱にあたるのか、この話の何が人種差別の発言なのか私には分からない。
黒人は奴隷だ、とするなら人種差別だ。また時代錯誤甚だしい。話にならん。
黒人はアメリカに連れてこられて奴隷にされた、とするなら白人が非難されるべき事柄だ。非難されるべき人種は白人であり、その白人の非難は疑いようもない。
黒人は圧倒的な力によって本人の意志に反してアメリカに連れてこられた。黒人に瑕疵はない。
現在のアメリカ在住の黒人の先祖が、たとえ奴隷であったとしても、彼らの先祖たちの苦労に心揺らしこそすれ、現在の彼らの人格と先祖が奴隷だったことは無関係だ。
だから、オバマ大統領の先祖が奴隷であろうと、無かろうと、いまのオバマ大統領に関係ない話。むしろ、不遇だった有色人種の境遇の中、国民の多くに信頼され大統領になったことは、彼を賞賛こそすれ侮辱していることではない。また、個人の人格を判断することでオバマ氏を自分たちのリーダーにしたアメリカ人を賞賛こそすれ侮辱しているものでは全くなり得ない。
しかし、なぜその発言を大統領への侮辱だとか人種差別だとかいうのだろう。
むしろ、侮辱や人種差別を指摘する側にこそ、価値観のものさしに人種のメモリがあるのではないだろうか。
といったところで、浮世離れしている私は、そんな丸山氏の報道が理解できない。