悲しい話 最終話

これも食をめぐる悲しい話。

9月1日の富士吉田には昼に着いた。
少し時間があったので、例のものを食べようと思った。
吉田うどん」だ。

一年前、当地をはじめて訪問したとき、現地を案内してくださる方のお誘いで「吉田うどん」を食べに行った。倉庫のような店構えで、ほぼ土間と同じような高さの座敷。伝票がテーブルにおいてあり、自分で注文を書き込み店員に渡す。これは現地の人でないと、なかなか入れない・・・。

さて、うどん。讃岐うどんで開眼した私は、吉田うどんに魅力を感じなかった。伊勢うどんを硬くしたような麺、煮干しと醤油だしの汁、ゆでキャベツの千切りの具。

しかし、いつきても「うどんや」に連れてきていただき、様々なお店構えを案内していただくうちに、「吉田うどん」もいいなぁ、と思うに至った。

そんなことで、今日は一人で昼食をとれるので、この前気になった大入り満員の店に行ってみよう!!!

12時前ということで、少し車の入りは少なかったが、先回大入りだった店だ。

暖簾をくぐる。

「いらっしゃいませ!」

あれっ、おれ一人か・・・・。
駐車場の車からすると、一人とは想像していなかった。

メニューを見る。
あれ、なんだこれ。吉田うどんの看板があるものの、うどんが主ではなく、単なる定食屋じゃないか。メニューの片隅に「吉田うどん」があったので、それを食す。

店は綺麗でお金をかけているものの、あまりぱっとしない店だった。

食事を終えて店を出る(私が食事をしている間に新規入店客は1グループだけだった)。

駐車場を見る。車が沢山ある。
あれ、おかしいなぁ。

私の止めた車の横に4人ずれのご婦人が止まった。
車から降りた。店屋の方向にあるいていく・・・。
あれ、店に入らない。
店脇の路地を進んでいく。

しばらくしたら、店脇の路地から戻ってくる人もいる。

周りを見渡した。
この駐車場、富士吉田の浅間神社参拝客の駐車場でもあるようだ。
つまり、先日の大入り満員のうどん屋(それを人気の店と解釈して入店したのだが)は、
実はうどんを食べに人が詰めかける人気の店ではないようだ・・・。

昼に仕事の相手先に、そのことを言った。
「あー、近くにある店だけど、私は一回も入ったことないです。アハハハ・・・」
だって・・・。

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