回想金華山。思い出深きは金華山ですれちがう人々。
夏の初め朝6時半。顔を紅潮させながら、彼女は一人黙々と山に挑んでいた。まったくよくいるタイプの女子高生(女子中生?)とすれ違った。おはようございますと投げかけると小さくはあるがちゃんと返事が返ってきた。えっ、一人で?しかもいまどきの女の子じゃないか!なんでこんな時間にひとりで登ってんだろう。ダイエットか?いやいや、太ってはみえないからそうではないだろう・・・。すれ違ってから想像をたくましくして楽しんだ。
さて、今日もいるかな。おっと俺は変態おやじか・・・。でも、私はがんばる子にエールをおくりたい(もちろん話しかけるわけではないが)と思った。しかし、彼女、あの日以来見ていない。どうしちゃったんだろう。あの黙々さ。もしかして夏休みに引越しがあり、それで思い出深い生まれてからずーっと育ったこの環境をこの足で最後にしっかりと踏みしめたくて、引越しの車の出る前に、一人黙々と顔を紅潮させながら(ときには涙なんか流したりして・・・)登っていたのだろうか。まぁそんなことはあるまい。三日坊主だったのかなぁ~。
金華山にはなぞの女性が多い。朝6時かならずすれ違う美女(に違いない)がいた。瞑想の小道を降りるとき、一人ゆるゆる登ってくる年の頃は20台後半から30台後半。・・・と思われる女性がいる。彼女はノッポさんがかぶる帽子を深くかぶっており、下りの僕は何度すれ違っても彼女の鼻以上の部位は確認できない。彼女は帽子を深くかぶって顔を隠しているだけではない。Tシャツと長ズボン、トレッキングシューズといういでたちまでは普通であるが、腕に日焼けどめの白い布切れ(昔事務屋のおっさんがしていた黒い袖が汚れないようにするやつの白版)をつけている。アウトドアなことを自分から積極的にもとめているはずなのに、日焼けをひどく恐れている・・・。また、すれ違うときに私は挨拶するが、返って来るのは「蚊がなくような」か細い声。あきらかに返事をするのが面倒そう。もしくは、話しかけられたくないというオーラ噴出。僕はそれでも興味本位に「おはようございます」を投げかけ続けた。ほぼ、無視され続けても・・・。
そんな孤高な女性は素敵だとおもった。僕は、彼女を孤高のダイエット美人と名づけた。顔隠し。日焼け防御。そして、早朝の人がすくないときのお隠れ登山。もしかして彼女は岐阜をベースに活躍する超有名モデル、タレント・・・。だれだろう~。・・・想像をたくましくしていた。そんな27-29回目の登山のとき、山頂で仲良く爺さんたちの輪に加わって歓談している彼女を発見。
そうか、ねぇちゃん、はげ頭の俺がそんなに怖いかい?
朝早くから登るのを日課にしている人は老若男女問わずいるんですね!
そういえば以前、登ってくる途中に転んで顔をすりむいた上にメガネを壊してしまったという足取りのおぼつかないお婆さんを頂上で見ました。こんなんしてまで登ってくるなんてって思いましたが、金華山は遭難者やら死亡者がたまに出るって聞いたことがあります。お気軽登山ができそうでいて、やはしそこはなめてはいけない合戦跡地なんですね~。
えっ、まじで・・・。・・・。・・・。
登る数が多いから事故も多いのでは・・・。
よる登山が怖くなってきた。