【気圧】
スキー場にいくとポテトチップの袋がパンパンになっている経験はだれにでもある。1500mオーバーの乗鞍青年の家でもそうだった。ポテチにパン・・・。みんなパンパン。
ほんじゃぁ、ヒマラヤはどうよ。
ところで、平地の気圧はだいたい1000ヘクトパスカル。熱帯低気圧の台風は950ヘクトパスカルだと、お天気姉さんはこういう。「超大型の強い台風の・・・」。しかし、超大型台風がきたからといって、ポテチの袋が膨らむことはないから、スキー場の気圧はきっと950ヘクトパスカルよりも小さいのだろう。
でも、どうだろう。もしも台風が来てポテチの袋が膨れたら・・・。コンビニの店員はきっと、台風が来るたびに袋が膨れて棚からおちるポテチを、台風で客足が遠のいたガラガラのコンビニで、棚に戻しては落ちるポテチと格闘する。
さて、話はそれた。ヒマラヤではどれくらい袋が膨れるのだろう。そんな疑問に答えるべく、写真をとってきた。写真は5600m地点のお菓子の包み。気圧はなんと、550ヘクトパスカル。登山では昼飯は朝弁当をつくるわけでもないし、昼間からコンロを出して湯を沸かし・・・なんてことはしないのが「山屋の行動」だ。昼飯はなし、というか、チョコレートだとかビスケットだとかカロリーが高いお菓子を食べてそれで終わり。だから今回のアイランドピークアタックも昼飯は菓子。日本にいるときダイエーの菓子コーナーでカロリーが高くて軽い菓子を探して、ヒマラヤに持っていたビスケット。爆発寸前。パンパンだ。
【水】
人間、飯を食わなくても数週間は生きれるらしい。ただし、水を飲んでいればの話。水、もちろんそんなものは蛇口をひねればガブガブのめる。ん!山?山の水もうまい。今年の四国のラフティング途中で飲んだ沢の水。愛媛の山で飲んだ湧き水。水の味にドン感な僕でもウマイ!と思った。けれどそんなことを思えるのは、きっと日本だけでは・・・。いままでいったいろんな海外でも水道の水を気にせず飲めたのはニュージーランドくらい。あとは、ちょっと飲むのを控えた。
さて、ネパール。水状況は最悪。水は飲めない。細菌は目では見えないけれど、ネパールの首都の5つ星ホテルでさえ、シャワーの水を良くそうにためたら、色がついている。錆び水のような色。
だから、ミネラルウォーターを買って飲む。ネパールの首都カトマンズでは1リットル15-20ルピーくらい。日本円にして30円から40円。さてこの値段、5000m地点へのトレッキングでは標高があがればあがるほど値段は高くなっていく。まず、カトマンズからヘリで飛んで到着トレッキングの起点ナムチェバザール。飛行場からナムチェバザールには400mくらいの山道を降りる。移動は徒歩。車や自転車なんかが通れる道ではない。日本で言えば登山道(まわりに大きな木はない。富士山の登山道みたいな感じ)。もちろん、ミネラルウォーター、ナムチェバザールでつくっていないからどこから運んでくるのだが、飛行場からナムチェまでは人力かヤクという動物の力をかりなければならない。けれど水。重い・・・。だから一回に運べる量はすくない。その結果、ナムチェで水をかうと一リットル100ルピー(200円)。ここから5000mまでどこのロッジやレストランでも水はうっているけれど、「誰か」が足で運ぶことになる。酸素が薄く「われわれ一般ピープル」では空身で坂道登るのも息切れするのに・・・。その結果、たとえば4300mのディンボチェでは一リットル200ルピー(400円)、4700mのチュクンでは230ルピー(460円)となっていった・・・。
一日4リットルくらいの水を飲むようにしていたた(高山病対策)。もちろん値段には返られないが、そもそも山の中ではクレジットカード使えない。手持ちの現金(ルピー)もあまりない。となると湯水のようにお金をつかいミネラルウォーターを買うことにも気が引ける。そのため、キッチンボーイが「煮沸」した「現地の水(どこの水かわからない)」を飲むことになる。その水、あるときは、アルミのヤカンの風味がした(たぶん、紅茶をいれるヤカンなのでその匂いだとおもうが)。ちょっと勘弁してほしい味。というわけで、次善策としてアルミ水をさけるため、その水でつくった紅茶を持ち歩くことにした。
ところが、氷河に隣接した5000m地点でのキャンプ3日間。水を買うところはもちろんない。キッチンボーイの水が命綱だ。そのキッチンボーイ、ここでは水を氷河から汲んできた。そいつを沸かしてお湯や紅茶、料理のスープに使っていた。氷河の融水!なんて素敵な響きだろう。氷河をピッケルでかち割って、ウイスキーのオンザロックでもすれば、さぞうまかろう。・・・と思っていたが、現実は違った。氷河の融水は泥水だった。また別に紹介するつもりだが、ここの氷河は砂と雪の混ざった氷河で、それが融けた氷河湖は粘土のような細かい砂の混ざった写真のような泥水。
この泥水、紅茶にしても紅茶がにごっている・・・。ときどきテレビでアフリカの人々が泥のような川水を生活についかい、病気になっている話しがでてくるが、まさにそれに近い状態・・・!?でも、人は水を飲まないと生きていけない。しかも高地では大量に・・・。煮沸した水を飲む勇気がないので、目をつむり、鼻をつまみ、色が少しでもついた紅茶でごまかす。
さて、味は?これが意外にいままでの得たいのしれない水よりでつくった紅茶よりもうまかった。こいつは以外だった。もちろん、泥水なんて飲んだことはないので味の想像はできないのだが、こいつは無添加生の味。それで、ドキドキしながら煮沸した泥水に挑戦してみた。おっ、こいつはいける。いけるぞーーー!
お久しぶりです。無事に帰国なさってなによりです。
気圧でお菓子の袋がパンパンになるのを見たのは中学の修学旅行で富士山をバスで登った時に体験しましたよ(伊豆方面だった)。みんな驚いてましたからね。
その後、体調はいかがですか?
また来てくださいね!