【紳士?の身だしなみ?】
これまでの41年の人生の中で風呂または水浴びをしないですごした日々は最大でも4、5日か?きっとネパールではそれを越すだろう。覚悟していた。結局、風呂または水浴びをしなかった期間は2週間に及んだ。しかもそのうち着替えをしたのは2回。
一回目は一週間目で初めてパンツとシャツと靴下を変えた。バンコクではシャツとパンツの節約のため(?)同室のKO大学のF先生に笑われたりしようが裸で寝たり・・・涙ぐましい努力をしたが、一日洗濯する時間があったのでそのとき初めて日本を出て下着を替えた(ちなみに寝るときも靴下を履いていた・・・)。場所は4300mのディンボチェである。さて、洗濯。もちろんコインランドリーなどない。洗面所もない。はたまた水道もない。氷河の融水の川も遠い。そこでシェルパのリーダー(サーダー)に聞いた。「洗濯をしたいのだが・・・?」かれは言った。あそこにある洗面器をもって、キッチンスタッフにお湯をもらって洗濯しなよ。そこで私はちかくにあった、洗面器をもってキッチンスタッフのところにいってお湯をもらい、ネパールではじめての着替えをしてすがすがしい気持ちで洗濯をした。気温は氷点下。洗濯物は乾くだろうか?そんな心配をよそに、空気がめちゃくちゃ乾いているから(だから喉と鼻をやられたのだが・・・)数時間で氷点下の寒空の下、直射日光を浴びたパンツは乾いた。
ただ問題がないでもなかった。というのは、私が洗濯をした昼間。それから数時間して食事の準備が始まった。昼のティータイムでつかった食器をキッチンスタッフが洗っていたのは、私が洗濯をした洗面器だった。僕たちは、僕の下着をあらった洗面器で洗った食器で紅茶を飲み、飯を食った。もう、このあたりでは高山病で日本でいけば酔ったような気分「あーーー、どうにでもなれぇ~」という感じになっていた。もう矢でも鉄砲でも持って来い!
さて、結局二週間風呂に入らなかった。途中の着替えは上のディンボチェと、その2日午後のチュクン。チュクンで着替えた理由はちょっと風邪気味になり一日オフをもらった。たぶん、熱があったのだろう。夜寝ていて汗をかいた。そのとき2度目の着替えをして、そして初めてウエットティッシュで体を拭いた(タオルで拭くにも水がない。あっても外で凍っていた)。結局、二週間で2回着替え、一度ウエットティッシュで体を拭いただけ。
今回のネパール合計3週間。もっていった着替え、パンツ3枚、登山シャツ3枚、靴下4枚。洗濯をしたためパンツもシャツも2枚使っただけ。靴下は4枚全部使った。そんな使い古した下着類を岐路のナムチェバザールで選択をした。ここはデラックスルームをかり、シャワー(ただし、宿のほかの人がお湯を使えばお湯は出なくなり水に変わる)あり、洗面所あり。洗面所のシンクで使い古したパンツとシャツを洗った。すると写真のように砂と油で洗剤+砂+人油で水は大いに濁っていた・・・。しかし、シャツもなにもかも、空気が乾いて汗をかかないし、冷たい空気でにおわないし・・・。数週間風呂に入らなくたってご機嫌な毎日だった。
【偉大なシェルパ】
片言の日本語を話すシェルパ。彼の名前はラックパヌル。45歳。「チャムイネェ~」「ションベ」「キュウケイ」。ユーモラスな喋りとは裏腹に、彼はいままで「エベレスト」に4回チャレンジし、2回登頂。「マナスル」にも登頂。「マカルー」にもチャレンジしている、スーパークライミングシェルパ。とても素敵な人だった。
写真を見る限りいつもの調査風景のような感じで氷点下で空気が薄いなんて想像できませんね!下山後の湯船はさぞ幸せだったのではないででしょうか?(笑)