数年前、日ごろの問題意識から商品を開発した。
2年前、その商品を開発する会社が設立され、小さいながらも私はその会社の株主になった。今日、その会社の株主総会が名古屋であった。
その会社の役員のFさんは私にKO大学のF先生を紹介してくれた人だ。株主総会後、Fさんと食事にいった(私は一日二食なのでコーヒーで食事につきあったが)。
Fさん、今年の夏にKO大学のF先生とその学生さんらとモンゴルの大平原に調査に出かけている。今日、そのモンゴルの話をFさんから聞いた。私はあまり旅行には興味がなく、結果的に海外や国内をあちこちいっているようにみえるが、実はそれらは全て仕事。つまり目的が別にあっての移動だ。旅行という目的で、外に出ることはめったにない。自分が旅行や遊んでいる間に、「仮想ライバル」が自己研鑽していると思うと、とても遊んでいる気分になれないからだ。だから、単にモンゴルと聞いても、そんなものはテレビで想像つく世界。そう思っていた。ヒマラヤの場合は違っていた。死ぬ確立が高いと分かっていながら、登山家を惹きつけて止まないエベレストとはいったいどんなものかを知りたかったから、生きている間にいつかはエベレストをこの目で見てみたいという衝動があった。だから、たとえ困難が待ち受けてもヒマラヤに足を運んでみたいと思っていた。しかし、モンゴルはちがう。興味がなかった。
ところがFさんの話を聞いてちょっと気持ちが変わった。Fさんの話は、例えば、2日間草原の中をソ連製のジープで移動してやっと目的場所に着いた、だとか、見渡す限り360度草原の中にぽつんと一つ存在するパオで生活した、だとか、さばいたばかりの羊の肉の塩茹ではこれまで食べた肉のどんなモノよりもうまかった、だとか・・・。そんな話で始まった。しかし、私は「想定内」と思い、行きたいという衝動にはかられなかった。ところが、この話でメキメキモンゴルが魅力的な場所になった。というのはこうだ。360度の平原の真っ只中、草原にはハーブの風が吹くという話だ。見渡す限りの草原はハーブで成り立っている。したがって、風が吹くとハーブの匂いが・・・。それはテレビだけの情報では想像できない。どんな感じなんだろう。興味がわく。
またFさん、そんな光景にでくわしたため、日本に帰ってからモンゴル好きだった司馬遼太郎の本を再度読み返した見た。すると司馬遼太郎もモンゴルの平原についてハーブの香りがするという記述を残しているだ。
うーん、俄然興味がわいてきた。モンゴルという国。なにか仕事がそこにないかなぁ~などと思い出はじめた。今日の株主総会のあとの出来事。