花粉症の恐怖

私は現代人というより、前近代人だと思う。もちろん、この時代にあって思想もそうだとは思うが、それ以上に体が、である。何を食べても好き嫌いはない。目も最近まで1.5以上はあった。野外生活も苦ではないし、不便な生活がこの上なく楽しい。ただ、胃腸が弱いのと、汗かきゆえ風邪を引きやすい。従って、現代でなければ、おそらく幼少の頃、すでに命果てていたのではないだろうかと思っている。

生きる死ぬかはともかくとして、体質は前近代的。そんな自分だから「花粉症」というのは、宇宙の話、と思うくらいのことだった。なんてったって症状は何一つないしね。もしも、花粉が消化できるなら、空気吸っているだけで腹が膨れて便利でいいワイと思っているくらい。

さて、昨日農園にいった帰りのことだ。いつものように走って帰ってきた。12時着。順調、順調。そして思わず、2時から3時の間に昼寝をした。昼寝から目覚めた。起き上がる。その刹那、まるで鼻の奥の鼻毛を抜いたとき、鼻の穴がくすぐったくなりクシャミをする、あの間隔で大きなくしゃみが出た。それも続けて何回も・・・。まるでマンガでコショーを振りかけられたときのような。ハクション大魔王が出てくるかと思うほど。しかし、ハクション大魔王が出てこずに、出てきたものは鼻水だ。しかも、滝のような鼻水。止まらない。

なんだぁこれは。鼻紙をとる手も止まらない。1分間くらいで、くしゃみは治ったが鼻水が止まらない。

中学の頃ね理科の時間、「物質は全て分子でできている」と話を聞いたとき、私は先生に質問した。「鼻水の分子はなにでできているのですか」と。それを知りたかった理由は、鼻水の分子のもととなる食物を食べなければ、風邪を引いても鼻水がでないだろうと思ったからだ。

さておき。鼻水は止まらない。思い当たるのは、花粉症だ。そして、戦時中、召集令状がきた若者の気持ちとは、こんなものだったのかと思った。とうとう花粉症。あー、商売あがったりだ。そういえば、ここ2週間、目がくすぐったいというか、乾いているというか・・・、変な感じがしていた。そうかぁ、花粉症だったのか。

花粉症となると、花粉の季節はジョギングもできない。水泳だけかぁ・・・。私は目の前が暗くなった。

そうこうしているうちに、みかん箱の3分の1くらいの量の鼻紙がたまっていた。だめだ・・・。明日、車検に車を出しにいったついでに、遠回りして走って帰ってこようとおもったが、もうだめだ。あきらめた。

そして夜。鼻が詰まりすぎてしばらく寝ることができなかった。そうかぁ、花粉症のひとはこんなに苦しいのか。そして、知らないうちに眠りについた。

朝起きた。風邪引いて鼻がでるときもそうだが、寝ている限り、起きたときは鼻が通っている。起き上がるようになると、また鼻水が蛇口をひねったようにとめどなく流れる。そこで、昨夜原稿書きで寝たのは3時だったが、すでに8時には目が覚めてしまったので、コタツに横になりサンデーモーニング・サンジャポを見た。鼻水の様子見だ。んんん、コタツに横になっているせいだろうか、鼻は少し痒いが、鼻をかむ頻度が30分に一回くらい。今日は調子がいいのか?いや違うだろう。家の窓を閉めているから、花粉が入ってこないのだろう。

ちょっと冒険してみた。マンション住人の朝ごはん、または昼ごはんのメニューを当てようとするような感じになったが、ベランダで鼻をクンクンさせて、花粉を思いっきり吸い込む冒険に出た。あれぇ、鼻は痒いが、鼻水がドバーっとでるわけではなさそうだ。

そして、昼。1時が過ぎ、2時が過ぎる。調子が上がってきた。鼻水が出てこない。

車検に車を出しにいった。鼻水はでない。そして11キロ走って帰ってきた。調子はいい。鼻水は止まった。

どうやら、あの鼻水、召集令状ではなかったようだ。

しかし、あれはなんだ。一晩、滝のような鼻水がでたのは・・・。

もしかしたら、昨日は鼻水をつくっている分子を大量に摂取してしまったのだろうか。それとも、体から鼻水をつくる分子が出尽くしてしまったのか。よくは分からないが、ひとまずほっとしている。

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