家でボーっとしているときにテレビをつける。チャンネルをカチャカチャ動かしていると、結局行き着くのは、教育テレビ。たしかに、番組の内容も興味をそそるところだが、教育テレビのカメラは固定されているものが多く、アングルの動きがない。そのため、自分の興味のあるところを観察する余裕や、なにげなく画面を見回したりして、暇つぶしにはもってこいだからだ。
それが、最近、教育テレビに加えて、私のチャンネルサーフィンにあらたなジャンルが加わった。昔のテレビ番組だ。NHKアーカイブス、仮面ライダー、ロボコン、時代劇・・・なんでもいい。めまぐるしく動くカメラアングルで私は何をよろこんでいるのかというと、主人公やヒーロが活躍する野外の風景だ。特に、背景に山をつかったシーンなどは、私の目を釘付ける。(スカパーにはとくに古い番組がおおい)
今でこそ、大面積で木を伐り、山肌を見せているような山はほんの一部だ。しかし、昔の番組に登場する山は、今と全く様相が違う。授業で、高度成長期の頃、広葉樹の森を針葉樹の森に替えていった・・・。昔と比べて労働人口は激減・・。そんな話をしていても、なかなか実感がないのだが、高度成長期の頃に作られた番組の背景には、そんな記憶のかなたの情景を思い出させてくれるところが、私をひきつけて止まない。
特に時代劇はさらに興味深い。先日、木枯らし紋次郎の再放送を見ていたら、1970年代前半の背景はたしかに興味深いが、こんなシーンが出てきた。夕暮れ木枯らし紋次郎が、ある村から出て行くとき、道を説明するシーンでのできごと。そこの○○を進んでいったら、「きんま道」にでるので、それを登っていけば峠につく。そんな言葉を言っていた。なんとも、まにあっくな「きんま道」。時代劇で「きんま道」という言葉を聞きそれにビックリしたが、番組の脚本家の教養にビックリ(もっとも、東京にでてきたキコリの息子が番組の脚本をつくっていたのかもしれない)。
また、これまたマンガだが、「カムイ外伝」を視ていたとき、「おれたちはサンカだ」というセリフがあった。これまたビックリ。
「きんま」も「サンカ」も今では知っている人はほとんどいない。年代もの、時代ものの番組を見ていると、最近はNHK教育テレビ以上に興味深い発見が多い。
それに比べて、最近のNHK大河ドラマ。天地人の「北斗の七星でさそり座?」や「日本地図を南を上にして新潟を説明する地図」など、常人の常識を逸脱する番組作り。それに加え、オープニングのテーマソングのとき「時代劇」の演出をしているにもかかわらず、「お船 常盤貴子」の名前がでてくるその場面の背景になっている田んぼ。あの田んぼは明らかに「機械植えした苗」であり、時代劇には不自然。北斗七星や田など・・・、明らかに自然に関する観察力が足らない・・・。番組をつくる人に求められる能力が大きくかわったのだろうかなぁ・・・。