仙台ではほとんど震災の後は見られなかった。すくなくとも駅周辺、ホテル周辺では。しかし、異変は石巻の手前から現れ始めた。不思議なことに、高速道路近辺の杉の木が枯れているのだ。さて、その杉がれについては後日言及するとして、石巻の港で目にしたもの・・・。あまりに多すぎて、しかも心が痛い・・・。
写真は港に面した民家の後だ。基礎を残して跡形もない。津波直後は幾ばくか・・・。
人生初めてのことが、私に起きた。
港に面した民家の横を車で通る。道を挟んで海。
・・・よくある夏の海辺、港町の光景。
真っ黒の日焼けをした小学生。
釣り竿とバケツを持って海に向かって一目散。
堤防に乗り付けた何台もの自転車。
海に飛び込む少年。ぎらつく太陽。きらめくさざ波。
歓声が聞こえる盛夏の港町。
毎年の光景。
そんな光景の主人公だった子供たちはしっかり生き延びてくれただろうか。
こうした壊れた堤防を風となって走り抜ける真っ黒に焼けた少年。
もちろん、見えはしないが、見えたような気がした。
人類の歴史はこの繰り返しだったはず・・・。
とはいえ・・・、あまりにも痛い・・・。
いま自分がこの世に存在する奇跡に感謝。