年賀状の力

私は、社会人一年生になったときから、毎年年賀状は文字ばかりのものを出している。

送付先には法則がある。
基本的には人生で会う機会がなくなった人にだけ出す。(そうではない人もいるが・・・)
だから、職場の同僚・学生さんらから年賀状をいただいても、休み明けにあうのだから、年賀の挨拶は会ってする。賀状はださない。
或いは、会う機会がなくても「何がなんでも会う」と決めている人には出さない。

そんなことで、もうかれこれ25年文字ばかりの年賀状を出している。
気持ちとしては、1年の総決算(何をして、何ができてないか)、そしてこれからどんな方向に向かおうとしているのかを書き留める。

会えなくなた人への近況お知らせ方々、私を知っている人に、この1年恥ずかしくない人生を送れたのか?それを確認しながら毎年自分の軌道修正に年賀状書きを使っている。7月8月くらいから、今年年賀状に何か書くことがあるのか?自問自答しながら・・・。まぁいってみれば、会えなくなった人をつかって過去の自分が未来の自分へ出しているようなものか・・・。

そんな年賀状を出す一人の相手が、大学時代あしかけ4年間、土方のバイトでお世話になった会社の社長だ。バラックのようなトタン屋根の事務所。業務内容は外構工事の会社。
当時、そんなトタン屋根の事務所の中で社長が僕に語った。
「僕には夢が2つある。自社ビルを持つこと。上場すること」
あの事務所の中で、社長はキラキラ輝いていた。仕事がおわって社長が語る言葉は、僕には刺激的だった。

27歳で独立し、事務所に便所も水道もなく、公園の便所と水道を借りて会社をはじめた。
私をアルバイトとして使っていただいたとき社長は30半ば。事務所もトタン屋根ではあるけれどトイレや水道やドラフター・倉庫・工作機械のある事務所に移る。20年前には自社ビルをたて、大豪邸の持ち主だ。

そんな社長からいただいた今年の年賀状。「いつでも顔を出してください」とメッセージ。
実は現職場とその会社は車で30分。いつも、近くによったら顔を出そうと思っていたけれど、ご無沙汰しすぎて、しかも知らない社員さんばかりで、敷居がまたげなかった。でも「顔をだせ」といただいた。

そこで、ホイホイとアポを取って今日昼休みをつかって出かけてきた。

楽しき有意義な時間を過ごした。そして、また新しい知識をいただき、宿題もいただいた。まったく感謝だ。

毎年だす一枚の年賀状で25年の時間を一気に縮められた。社長は、私の年賀状を家族で毎年楽しみにして読んでいただいているとのことだった。ありがたや、ありがたや・・・。

これからも恥ずかしくない陰日向ない生き方を心がけよう。

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