8月25日、車の修理に出した後、空手の稽古に出かける。代車を借りることなく、バスで岐阜駅に向かう。
私はそのバスの後輪の上あたりの席に座った。
・・・バスはでない。
(時間の調整だろう・・・、と思った)
すると、最前列左側の一人がけの椅子に、スキンヘッドの肥えた、サングラスをかけた中年手前の男性の動きが妙に気になった。一人がけの椅子に派手にもたれて座り、時折、バスの中を不気味な笑い顔で振り返る。
(くわばら、くわばら・・・。目を合わせんようにしんとな!)
と思っていたら、おもむろにスキンヘッドのサングラスアンちゃんが、右手に尖った果物ナイフを手に運転手に話しかけた。
(あちゃー、バスジャックに居合わせてしまった。まさか自分の目の前で・・・。)
運転手とあんちゃんの会話は聞こえない。
あんちゃんは背中を向け運転手と交渉中のため、ナイフのキッサキがどうなっているのか確認できない。運転手!大丈夫かぁ~~~~~~~~~~~~。
「ピピピ」
なんだ!運転手にカードのチャージをお願いしていただけなのか。
果物ナイフに見えたあのキッサキ鋭い刃物は、あんちゃんのもった札が、見る角度によって鋭い刃物に見えていたということだった。
しかし、あのあんちゃん、変な札の持ち方するし、不敵な笑みだったし・・・。
まったく驚いた!