第二話
9月16日、広島でトークの機会をいただいた。
生まれて初めて広島市内に足を踏み入れることになる。
私は食べることには無頓着だ。
その上、私には外食するという文化はない。
知らない街で、ふらりと居酒屋に入る勇気はない。
知っている街でさえ、ふらりと居酒屋に入る勇気はない。
そんな性分なので、出張で、夕飯を食べる必要があると
一応街を歩き、あそこに入ろう、ここに入ろうと妄想はするが、結局物色するだけに終わり、コンビニ弁当に落ち着くことがもっぱらだ。
しかし、一年半前の西表島以来、プラスチックや過剰包装から卒業しようという強い意志を持つようになる。したがって、コンビニ弁当もなるべく食べないように気をつけている。そんなことで、出張時の夕飯は、コンビニ弁当ではなく、お店(牛丼屋でもOK)で済ませようという気持ちを最近持ち始めている。
そんな背景があり、広島に降り立つ。
よしっ、広島といえば、「お好み焼き」かな?よく分からんが、きっとそうだ。では、当地でThis is the
“広島お好み焼き”を食べてみよう。
一人、広島の繁華街をあるき、お好み焼きやを探す。しかし、見るからに席が満員なところに、知らぬ人と肩をぶつけ合いながらカウンター越しにお好み焼きを食べる勇気はない。
物色した結果、すこし、空いているお店を見つけて、意を決して飛び込んだ。
「飲み物はどうされます?」
「生ビールください」
「ご注文は?」
「お好み焼き」
「そばは、〇〇〇〇〇〇〇〇〇、か〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇のどちらにしますか?」
心に準備ない質問が飛んできた。えっ、広島のお好み焼きといったら、焼きそばが入っているんじゃないのか?そこに選択肢があるの?えっ、どうしよう。店員のお姉ちゃんの言葉が理解できなかった上、思い返そうにも聞き取れなかった。えーーい、こんなときは、こう言っちゃえ!!
「普通ので」
「はい、普通ので」
しばらく待ったらお好み焼きがやってきた。
「キャベツの千切りと肉と卵だけのお好み焼き」
しかも、キャベツの水分がビチョビチョに出ていて水っぽい。
きっとこれ、広島の普通のお好み焼きではなく、全国での普通のお好み焼き…。しかも、水分多すぎてまずい…。(あとで聞いたが、蒸し焼きにするので、水分が多い)
広島のお好み焼きでは、そばを「焼きそば」の麺か「うどん」の麺を選べる場合が多いらしい。殆どは「焼きそば」を頼むようだが・・・。
そして、その焼きそばの麺も、「生麺(店屋でゆでる)」か「袋麺」のどちらかを選べる店もあるらしい。次の日帰路で広島駅まであるく道中の店屋の看板を見て、そんなことを学習した。
ということで、未だThis is the 広島お好み焼き 未経験だ。
こんど広島に行く機会があれば、今度は胸をはって「焼きそば」とこたえてみたい。