今回の九州出張の最終日は宮城県延岡にある卒業生がつとめる林業会社での情報収集だ。もっとも大きな目的は昨日と同じであるが、実は、昨日卒業生の二人が片道2時間以上かけて熊本まで私を迎えにきてくれたので、先輩を紹介しつつ、私の質問に対して先輩・卒業生の話をきけたため、目的は土曜日で達成してしまった。今日は、いわばプラスアルファの見聞を広める日となった。卒業生がつとめる会社のウリの一つは「複層林」である。その林を見せてもらうことになった。普通、複層林といってもまともな林をみたことがない。複層林はGISでの管理上ちょっとややこしい。だから、アンチ複層林というのが私のスタンス。しかし、この複層林をみたらこれまでのアンチ複層林という考えはどうやら間違いのようであり、仕立て方によってはとても良い森になる気がした。
また最近林業活動が日本で盛んな県の1・2を争うのが宮崎県。南国の暖かさによって一年の成長が大きいため、植えてから収穫までの期間がとても短いらしい。つまり、年輪の幅が広いという特徴がある。この特徴、果たしてメリットなのかデメリットなのか、そんなことを考えるためのネタとして木材市場に連れて行ってもらい年輪の細かさを見せてもらった。確かに、ニュージーランドほどの成長はない(年輪の幅が広い)が、まぁ、思ったより年輪は細かかった。ワリとまともな木が大量に出てきていることを知った。
ともかく、宮崎は林業で熱い。それに拍車をかけるのは広島のある製材会社。この会社がいま、宮崎県日向市に進出してこようとしている。そこで、工場建設のための土地を現在探しているらしい。先方が希望しているのは工場に船を横付けできる位置。ともかくどんな土地なのか体で記憶させるために、熱い港にやってきた。
この宮崎県、かなりやる気だ。あちこちで木製の製品をつかった大型施設がある。写真は「金ちゃん球団」の合宿地の日向市の体育館。ふんだんに木材を使っており、宮崎県の林業を盛り上げようという意思がありあり。また、JRの駅も「木三昧」。いろいろ使っている用途などを考えると相対したことはないかもしれないが、木材を使おうという県の気運が伝わってきた。下の図は駅の一部。