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少なからぬ驚き

昨日、中部山岳ガイド協会の方々を対象にしたGPS研修の講師をしてきた。山岳ガイド、まさにGPSの活躍の場。

日頃GPSを活用している方だからと思い、研修メニューを用意した。

ところがビックリ。15人ぐらいの参加者のうち、3分の2はGPSを持っていない、とう状態だった。

思い返せばそれも当たり前か!彼らはコンパスと地形図で現在地を読み取るエキスパートだ。GPSに頼れば、コンパスと地形図を使いこなせないということを宣言してるようなもの。いまさらGPSなんかなくても・・・。そんな気持ちがGPSの所有を思いとどまらせていたのだろう。

そしてつくづく思う。GPSなどのITの先端にいる人と、それを使う人との意識のズレ。GPSオタクたちの議論は私にも判らぬほど、意味不明な暗号が飛び交う世界。でも、その道具を求める現場は・・・、もっと簡単なことを必要としているんだよなぁ・・・。

ますます、自分のポジショニングがはっきりした研修だった。最先端技術と現場との橋渡し役。それが私のポジションなんだろう。

金華山 夜明け前

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昨日は挫けた金華山。昨晩は早く床につき、おかげで5時に目が覚めた。そと、真っ暗。

布団の中で金華山しない理由を探す。探せば探すほど・・・目が冴える。

30分の格闘の後、飛び起きた。
よーし、行くぞ!

気をつけること。汗をかかない山登り。
まぁなぁ大丈夫だな。汗をそれほどかかずに登り切る。
夜明け前に山頂。

帰り道はさすがにいつもの急傾斜地は避けて、ゆるい山道で帰る。
膝は痛くないか?うーん、大丈夫なよう気がするが微妙?

今週末

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ウムム・・・。
来週の乗鞍岳、どうやら山頂にまで行くらしい。つまり約3000m。
厳冬期・・・。おいおい大丈夫か・・・。
まぁしかし、この厳冬期の3000mでGPS研修をするという人物もそうはいまいと、自分のアイデンティティーのために「火中の栗」を拾いにいくことにしよう。

さて、それはともかく。受講生はプロの山岳ガイド。山登りが仕事。スキーが仕事。
あたしゃぁ・・・。そうではない・・・。

しかも今日、驚愕の事実。
参加者はテレマークスキーで登山し、下山する。
登りは彼らとスピードは変わらないが、下りの彼れらはあっという間に私の視界から消えていく。前回がそうだった。

だから、君も山スキーがいいよ!そう言われた。

あのさぁ・・・、って言うけど・・・。
新雪パウダースキーの滑りは、私には無理。
けれど、スキーを履かなければ私は3000mで置いてけぼり。
ならば、いまできることは、スキーのスキルを少しでも思い出すこと。

そうだ!山荘へ行こう!!

土曜日、空手が終わったら山荘で一泊して、朝からスキーをしよう!!!
これしかない。

前回山荘で泊まった時、ランタンが暗くて仕事ができそうになかったので新しい最強ランタンを購入した。こいつが届けば、その試用運転も含めて厳冬期山荘宿泊第二弾!!

最後の一手

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今の職場にはトレーニングジムがある。
GPS講習という私の仕事を首尾よく進め、私が恥をかかず、職場の評価を上げるには、私は「俄づくりでも肉体改造」をせねばならぬ。そんな使命感に燃え、職場のトレーニングジムに行こうとした。

そしたら、ボスと階段ですれ違った。
「ドコイクノ?」
「ちょっとジムへ」
「事務?」
「なにその荷物?」
荷物をまさぐるボス。
(シューズの感触をたしかめ)
「乗鞍のことしか頭にないなぁ?」
・・・

ボス承知でトレーニングをしてきたが、良心のとがめもあいまって4キロランニング+ストレッチで退散。

お座敷への備え

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もう、10日以上走っていない。ブルース・リーは言った。練習を1日休めば、その遅れを取り戻すのに2日かかる。あ~、もう取り返しが付かないくらい体力が落ちたのだろう。
そして7・8の乗鞍登山。

問題はいくつもあるが、大きな問題は3つ。
1登る体力
2汗をかく
3膝痛
である。

1・2には共通点がある。体力が落ちれば、汗をかくし、登る時苦しい、苦しいと汗をかく・・・。汗をかくと体温を奪われ不快な上に、体調を崩す。

残りの7日で体力をなるべくリカバーしなくては。そう思って、昨晩は今朝、金華山に登る気満々だった。朝早起きして日の出前に・・・。

ところが、昨日山荘の図面を書いていたら止まらくなり、朝、夜明け前に目が覚めたのだが、もうひと寝り。そして結局いつもどおりに起きちゃった。

今日は失敗だ・・・。

ならばもう、これしかない。パワーアンクルだ。
ヒマラヤのトレーニングではこれをつけて金華山に登った。これをつけて職場にいった。授業をした・・・。今日からパワーアンクルライフ・アゲイン!

膝痛・・・。痛かったらどうしよう・・・。
はやく金華山に登って試さなきゃ。

お座敷がかかる

先日ある筋からメールを頂いた。
2月7日・8日、乗鞍高原でGPS研修ができないだろうか。そのかわり、アイゼン・ピッケル講習を君に提供するからと。場所や内容は大体以前やったホワイトアウトナビゲーションと同じ。

山岳ガイドの養成のための資格試験の一環での研修だ。

いまかつてのブログを読み直し、そのときの感覚がよみがえる。氷点下-18°

今回は、そこに輪をかけて厳しい物がある。宿泊は2600mの「位ヶ原山荘」。

前回は、そこまで行って帰ってくる研修だったが。今回は、そこでシツコク研修をするというわけだ。

二つ返事で引き受けた。

雪崩事故防止講習会

beacon 先週の水曜日の夜から出張していた。水曜日の夜乗鞍に向かい、木曜日は松本で宿泊し、金曜日は東京で宿泊。土曜日に帰ってきた。久しぶりの出張だった。水曜日の夜乗鞍で宿泊し、翌日、雪崩れ事故防止講習会に参加した。大学生の頃、大学山岳部の門を叩いたが、私はロッククライミングだけをしたかったため、入部を断られた。なぜ、ロッククライミングだけをしたかったかというと、冬山は寒いし、雪崩が怖かったからである。ところが最近、雪崩の匂いのするところにいくことがときにあるため、雪崩を恐れ、雪崩により臆病になるために、雪崩を知ろうとこの講習会に行ってきた。
 近年は、ビーコンという装備がある。ビーコンの電源を入れ、山に入る。万一、雪崩にあって埋まったとしても、外部に向かってビーコンの場所を発信するため、捜索する人間はそのビーコンの電波をたよりに埋まっている人を探す。そんな道具の取り扱いの講習会が乗鞍であったのだ。写真はビーコンの取り扱いの実習シーン。

zonde またゾンデ(英名 プロブ)という道具もある。初めて知ったこの道具。なんのことはない、雪のうえから棒でつっつき、雪のしたに埋まっている人を探すというものである。そういえば、テレビで観たことある。下にいてつつかれる人はさぞかし痛かろうと思うが、窒息死、圧死よりもつつかれる痛さのほうがましか・・・。なかには頬を貫通するほどこの棒を突っ込まれたケースもあるそうだ。イタタタタ・・・。

ngiht 夜は夜で座学講習。雪崩事故のビデオやスライドを見ながら、各事故の検証をした。
 いやー、しかし、寒かった。指先、足先、凍りそう。

金華山の土器 続編6

瓦 今日は本当なら森林調査。しかし、朝から雨。雨の急斜面は滑りやすく怪我を回避するため調査は中止にした。そこで、昼、森林調査の変わりに金華山+αのトレーニングをすることにした。今日は家→山頂→岩戸公園→ドライブコース、前回はこれで1時間20分。ちょっと短いので今日は更にドライブコース→金華橋→尚ちゃんロード→家にした。この雨のなか登山を始めた。しかし、いるものだ、雨の中、登山する人々・・・。物好きが多い・・・。そんなことを思いながら山頂に近づく。すると目の前に飛び込んでくる戦国時代の遺品(?)。今日も拾ってしまった・・・。

土器 土器と瓦。なんでこうも発見するのだろう。走っている間考えていた。きっとこーゆーことだろう。ここは山頂。洪水や山崩れなんかが起きることはない山頂。遺品が埋もれることはなく、たとえ埋もれたとしても、土壌がない分浅い。だからほらなくても遺品がでてくる。一方、平地の遺跡は数百年の間の洪水山崩れで深く埋もれる。そんなことではないだろう。

 さて予測。きっと金華山山頂を調査すればザクザクとなにかが出てくるのでは・・・。そう思う。

森林調査

調査2 職場の裏山、演習林の資源調査を今日からはじめています。学生さんにアルバイトをお願いし、また土日、土日と調査です。卒論の実験も終わりましたので、この調査をすることができるようになったわけです。しかし、正月以来、ほとんど土日も出勤です。役所の都合で、この調査は休日出勤にカウントしてもらえないし、もちろん手当てもないし・・・。全面ボランティア。
 まぁ、金華山を無意味に登り体をトレーニングするよりも、ハードな山登りを心がければ、このボランティア森林調査もなんとか前向きに考えられるかなぁと思って山の中を走っています。

ホワイトアウトナビゲーション

読図 水曜日の夜から乗鞍高原に行ってきた。昨年の夏KO大学と一週間の合宿をしたところだ。理由は研修に参加するためである。水曜日の夜は私が講師をつとめ、木曜日は、私は受講生になった。研修の内容は「ホワイトアウトナビゲーション」。吹雪に会ったときでもちゃん帰れるための訓練である。私はGPSを山岳ガイドの方々に教え、今日の講師は”方位磁石”の使い方を教える。

スキー場 昨日のGPS講習は、夏のJICA研修・県内のGPS普及・日々の授業の取り組みを話してきたので、代わりばえはないが、今日のコンパスをつかったナビゲーションは、学ぶことが多かった。独学で身につけた方位磁石の使い方だが、今日の講習はそれを補強するなかなか良い話も聞けた。ところが、今日の講習、能書きだけの講習ではない。実技がある。その実技をするため乗鞍高原スキー場のリフトを乗り継いで標高2000mまで上がり、その後、スキーまたはスノーシューズを履いて標高2600mまで地図と方位磁石だけを頼りにあがるというものである。下のスキー場はこうして晴れていた。余談だが、驚いたことにスキー人口が激減して、非常に快適そうであった。これだったら、スキーをしてもいいかなぁ、と思う発見があった。
 

ホワイトアウト しかし、研修の中身はホワイトアウトナビゲーションである。吹雪であたり一面が見えないときでも、ちゃんと行きたいところに行く訓練である。こんな晴れているところでは研修にならない。そこで、スキー場から目的地に向かい歩き始めた。氷点下12度くらいであったが、登りはからだが熱くなる。汗をかいては風邪を引く。だから、登山下着+フリースだけで2400mくらいまで行った。
 ここまでは良かった。樹林帯の中、如何にに寒く風が吹いても、経験値内である。不安はない。金華山登山のおかげで別に斜面を登ってもなんともない。
 ところが2400mを超えて、森林限界を越える頃から、猛吹雪の中に突入することになる。風は強い!!!!雪も強い!!!!前を向いていられない。私の前を山スキーで歩いていた人は、立ち止まって地図を見ていたら、風で吹き飛ばされて倒れた。
 私もたまらなかった。顔面に当たる風が、経験値をオーバーフローして”痛い”を通り越して、凍傷になるのではないかと思うくらい。指先も冷たい。まるで凍っているようである。リュックに入れたペットボトルもシャーベット上のお茶に変化。顔面保護のためにタオルを口と鼻に当たるようにマスクをしたが、吐息で湿ったタオルが凍り、まるで氷のマスクをしている感覚であった。
 2600m地点は氷点下ー18度。風速はわからないが、突風で人が倒れそうなことがあるくらい。もちろん、文字どうりホワイトアウト。回りがみえない。絶好(?)の研修日和。ヒマラヤではー20度のキャンプを経験しているが、その比ではなかった。風のため体感温度は∞。

 イヤー楽しい2日間だった。来週はなだれ講習に出かけます。なだれで埋もれたひとをどうやって発見・救出するかという研修。