世界的に由々しき事態。森林減少と泥炭焼失。最初に起きた大面積開発はどうしようもないとして、いま起きている問題はどうにかできないのか?
人づてで聞いた話なので、いい加減なことを言うかもしれないが、私は当地に来るまでこう聞いていた。また読んでいた。
インドネシアでは、大体農作物は自給できているが、米は自給できていない。これから人口が増えることを考えると、米の増産は必須の課題。そこで、未開の地だったボルネオの泥炭湿地林の熱帯林を切り開き、田んぼを作ることにした。それで1990年代の初めから半ばにかけて、大規模開発が行われ森林は消失。ところが、耕作不向きだったため、放棄地と化し、なすすべもなく山火事や泥炭の分解が進み、地球上に膨大な二酸化炭素を放出している。そんなことを聞いていった。だから、山火事は自然発火によるもので、泥炭の分解が進む(水はけがよくなる)のは灌漑網をつくったために水はけがよくなった。だから、過去の工作物によって、現在手がつけられないようになったと。
ところが、その地をいろいろ移動していると、山火事は(根拠はない主観だが)熱帯ジャングル伐採跡の二次林を焼き払い、畑を作るために人為的に火をかけているようにしか思われない。実際、でかいチェンソーを自転車に積んで真っ黒すすけて家に帰ってきたダンナを見た。彼は燃えた跡の整理をしていたのだろう。
そして燃え残った木を整理して、畑にしているような姿もあちこちにあった。
また灌漑網は、畑を作るためのもの、また湿地の水はけを良くするものというよりも、伐採による木材搬出のために造られたように見える。運河脇のあちこちには、現場で製材した痕跡が残っている。
つまり、山火事も泥炭の焼失・分解は現在も人為によって行われている。つまり、犯人がいる話のように思えた。
だから、山火事も泥炭の焼失もやりようによっては、止められる。
・・・かと思ったが、事情はどうやら複雑だった。そして、インドネシアに来る前に聞いていた話、つまり米の生産を意図した開発をしたが、いまでは放棄されているという話は真実ではないと思うに至った。