ヒマラヤの目的 2008春

glacier_lake もうヒマラヤから戻って数日経つ。毎日、机に向かうが頭がオフィスワークモードにならずに、困っている。椅子に座っても、まるで運動後のように脳みそがうまいこと一点に集中できず、雲の上を歩くような・・・(もちろん歩いたことはないから想像の範囲だが)心持だ。しかも、悪いことに眠くて、眠くてしょうがない。毎晩、8時には床に就き、6時半のモーニングティーで目覚める。そんな習慣がまだ抜けない。
 さて、なかなか仕事にとりかかることができないので、ここはブログでも書いて脳みそのリハビリをすることにしよう。

 2008年春のヒマラヤ遠征。結果的にいうと、もう私がヒマラヤに行くことはないとおもう。心身ともに疲れた。そんな今回の遠征の目的は・・・。これがプロジェクトリーダーの心の中だけにあり(?)まことに表現が難しいが、あえてここに書き出してみるとする。
 目的は全部で9つあるように思った。プロジェクトリーダーはことあるごとに目的は5つと公言していたが・・・。
 目的1 ヒマラヤのエベレスト周辺にあるイムジャ湖という氷河がとけてできた湖。この湖をモニタリングする施設を昨年秋の遠征で作った。ところが、11月半ばから稼動しなくなっている。そこで今回はその装置の修理または交換を行う。

 目的2 目的1の装置は湖全貌を見渡す位置にない。そこで、湖全体を見渡す位置に新たに装置を設置する。(この装置のことをフィールドサーバーといい、以下にはFSと略すとする)

 目的3 FSに水位計を設置し、ある警戒水位以上になったら流域に決壊警戒メールを発信する仕組みをつくる。

 目的4 湖の湖底測量。湖に蓄えられている水量を推計。

 目的5 地形測量。湖をせき止めている土量の推計。

 目的6 物理探査。湖をせき止めている土石の構造解析。

 目的7 湖周辺に測量の基準となる基準点の設置。

 目的8 電力確保の一手段としての水力発電の可能性チェック。

 目的9 イムジャ湖以外の周辺氷河の俯瞰。

 目的10 衛星から識別可能なコーナーリフレクターの湖周辺への設置。

こんなところではないだろうか。

その中で私が担当したのは
目的3の水位計の手配と設置工事、目的4、目的5、目的8、目的9、目的10である。
それぞれが、言い尽くせぬ事件だらけのものであったが、目的4と目的5以外についていは当初の目的を達することとなった。

そんな今回のプロジェクトは、四六時中NHKが同行していたので、6月7日の特番を皮切りに、その後のクローズアップ現代やBSニュースなどで、私を含め本隊の活動が放送されると思う。というか、まるで、NHKのドキュメンタリードラマをとるためにこのヒマラヤに来たんじゃないかと思う節が多かった。

上の写真は、湖が凍っていたため船で湖底測量ができなかった湖の状態で
下の写真は、9日間くらしたNHKと合同のベースキャンプ(5000m)

base_camp

1 thought on “ヒマラヤの目的 2008春

  1. lee

    天国に行って来たんだから、シャバっ気はなかなかもどらんわなぁ。
    やっぱ竹島はそのまま仙人になるべきだ。

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