森の健康診断

現在勤める大学では、最近流行の森の健康診断を主催している。流域は土岐・庄内川だ。
この健康診断だが、私としてはいままで知らぬふりを決込んでいた。理由はこうだ。

人様の山に突然入り、頼まれてもないのに勝手に調査をして、健康度合いを判定する。山には持ち主がいて、私は山に入るだけでも所有者に気を使うのに、傍若無人に山に入ることになるこの種のイベントに人種の違いを感じていたからだ。

ところが、ところがだ・・・。とうとう、それに関わらなければならない日が来た。大学では、超マイノリティーの研究所で、学生はいないし、学校の雰囲気は見えないし。そこで、この大学がやっている健康診断を打診された。そして、今週火曜日80人くらいの学生を相手に林業の現状について講義した。
びっくりしたのは、80人中、林業に関心があると応えた学生は、3人くらい。

えっ、ということは「なんで森の健康診断に参加しているの」と思った。

さて、講義終了後のできごと。
私の講義を聴いてくれた中に、健康診断の事務局の60歳くらいの男性がいた。
その男性が講義が終わった後雑談をしにきてくれた。
彼が言う。
「私は林業が面白い・大事だ、そう思ったので、うちの息子に林業に就けと進めている。その一環で、愛知県で開かれた「林業就業セミナー」に息子に話を聞かせにいかせた。話をいろいろ聞いて、息子が主催者に「ところで求人はあるのですか」と訪ねたら「今年はない」と言われた。じゃぁなんで、就業セミナーをするのか?と私(健康診断の事務局の方)が調べたら「どうやら就業セミナーを開くことに補助金が出ているかららしい」」

よくある話だ。
林業に関心がないけれど、健気に森の健康診断のイベントに参加してくれる学生の皆さんは、業界がこくいうことだと知ったら、それでも健気にイベントに参加してくれるのだろうか?

2 thoughts on “森の健康診断

  1. つうくん

    林業就業セミナー。
    なぜあれを3週間(?)も受けるのか私は理解できません。
    新規で入れば緑の雇用を使うわけだし、おんなじことをするだけ。
    無給で受ける前に、本当に林業につきたければまず、業界をよく調べて就職したい事業体を見つけて、アタックするしかない。
    おそらく、搬出ありが条件になってしまったので、求人は激減するはず。
    組合によっては雇用調整していますから。

    返信
  2. takejima

    コメントありがとうございます。
    3週間のやつではなくて、就職説明会という一日こっきりのものだったようです。
    学生さんからの質問にこーゆーのがありました。
    「林業は体力があれば就職できると聞いたけどどうなんでうか」「林業に就いて家族を養えるのですか」という質問です。
    つうくんさんの言われるような文脈でもって、実は応えました。詳細はまたお会いしたとき!

    返信

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